本展は、本年1月に実施した「飛鳥アートヴィレッジ」の2013年度のアーティスト・イン・レジデンス・プログラムに参加した5名の若手アーティストによる、成果発表としての展覧会です。
ここ飛鳥に滞在した5名は、10日間の共同生活を通じて、飛鳥と美術についてのお互いの世界観を昼夜語り合い深めていきました。いまの飛鳥に生きる人々と触れ合い、現地の自然や風景を目の当たりにしながら、いにしえの飛鳥の人々が生きた当時に思いを馳せ、果てしなく長い時間軸の存在を自らの印象に強く刻みました。
古来の飛鳥の文明に始まり、現代に至る人々の生活のあらゆる礎を育んできた、大地としての「土」。そして、大地に根づく飛鳥の人々を頭上から見守ってきた太陽、星、月、雲を擁し、異文化や文明との新たな邂逅(かいこう)へと導く豊潤な想像力を人々に供してきた「宙(そら)」。昔も今も、飛鳥に暮らす人々の心のよりどころとなってきたであろう壮大かつ本質的な2つの要素に、彼ら5名のアーティストは特に強く惹かれ、各自の作品の着想となりました。
ここ飛鳥のアイデンティティを醸成させてきた根源的な要素を、美術表現という手段で浮かび上がらせ、地元飛鳥の人々と全国各地の飛鳥を愛する人々へその気づきを提示することが本展の目的です。5名のアーティストの作品を通じて、飛鳥の豊かな風土と文化が、古来より人々に深い想像力と思考力を喚起させ続けてきたことを実感する機会になれば幸いです。
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