1997年4月25日に開館した神戸ファッション美術館では「ファッションとは時代を映す鏡」と捉え、18世紀から現代までの西洋衣装、日本を含む世界の民族衣装、テキスタイル、靴、帽子、扇、アクセサリー、香水などの身につけるもの全般と、写真、ポスター、版画、映画、映像、雑誌、書籍など20世紀の複製芸術を含めたメディアに属するものを独自の視点で収集し、展示・公開してきました。
21世紀となって十数年が過ぎた現在、再度「ファッションとは何か?」「コレクションとは何か?」を自問してみると、結局ファッションとは人の営みそのものであり、人はさまざまな局面で何かに変化すること、この2つこそが本質と考えるに至りました。「変化と普遍」、「非日常と日常」、「ハレとケ」など相容れないものの鬩ぎ合いのバランスにより生まれでるものがファッションではないのでしょうか。
本展は、さまざまな分野の123点の心ときめく銘品により「ファッションとは何か?」「ファッションの強さとは?」をもう一度皆さんに考えていただく試みです。時代と地域を超えた服飾史のマスターピースとなる沢山の衣装は、メイク、ヘアメイクを含めた10種類を超えるオリジナルマネキンや独自の展示手法を用いて不思議な美しい世界を構築します。ファションプレートや写真、映画からは、美を伝える手段の歴史を辿っていただけます。この機会に、ぜひ当館コレクションの真の魅力を再発見していただけますと幸いです。
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