ドキュメント、人物、古美術、建築、風景、そのいずれにも忘れがたい作品を残し、日本の写真史に巨歩を記した土門拳。そのなかでもライフワークとなった「古寺巡礼」は、1939年の暮れに室生寺を訪ねたことから始まりました。奈良県の山間にひっそりと建つこの美しい寺は、平安時代初期の木彫仏(弘仁仏)の宝庫であり、土門はそのたたずまいにひと目で魅了されます。以後、北は会津から南は九州まで、仏像撮影の行脚を続けるこ...
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ドキュメント、人物、古美術、建築、風景、そのいずれにも忘れがたい作品を残し、日本の写真史に巨歩を記した土門拳。そのなかでもライフワークとなった「古寺巡礼」は、1939年の暮れに室生寺を訪ねたことから始まりました。奈良県の山間にひっそりと建つこの美しい寺は、平安時代初期の木彫仏(弘仁仏)の宝庫であり、土門はそのたたずまいにひと目で魅了されます。以後、北は会津から南は九州まで、仏像撮影の行脚を続けることとなりました。鋭い眼差しで被写体を凝視し、自らが惹かれたものだけを撮り続けた、その独自の視点は、仏像の手や足、口元など細部にクローズアップした写真で象徴的に表されています。2度の脳出血により車椅子での撮影を余儀なくされても、強い信念で、写真を撮り続けた不屈の写真家・土門拳。日本を愛し、日本人を愛した土門拳が撮影した永遠の名作「古寺巡礼」から、大型作品を含む約170点で、その魅力に迫ります。
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会場: 八王子市夢美術館
会期: 2011年9月16日~11月23日
藤森 武 土門拳に師事し、「古寺巡礼」シリーズをはじめとする後期代表作の助手をつとめる。日本文化撮影の第一人者。『独楽・熊谷守一の世界』『隠れた仏たち』『日本の観音像』『丹波の名陶』など写真集多数。
土門 拳 1909年山形県酒田市に生まれる。東京の宮内幸太郎写真場で修業後、日本工房に入社。1939年頃、美術史家・水澤澄夫の案内ではじめて奈良・室生寺を訪れ、平安初期の木彫仏に興味を持つ。戦後はフリーになり、1950年代にはリアリズム理論を展開。1959年、脳出血で倒れ、35ミリカメラの操作が困難になると、大型カメラによるライフワーク「古寺巡礼」の撮影を開始。この成果は13年間で全五集を刊行した『古寺巡礼』に結実する。1968年再び脳出血によって倒れるが、撮影に復帰。1979年、脳血栓で倒れ、11年の昏睡状態を経て、1990年、80歳にて永眠。1981年、土門拳賞が創設され、1983年には酒田市に土門拳記念館が開館する。芸術選奨文部大臣賞、菊池寛賞、紫綬褒章など受賞、受章多数。
新里義和
「東松照明写真展 太陽へのラブレター」
沖縄県立博物館・美術館
菅谷富夫
シンポジウム「デザインの国際化と近代美術館」
大阪市立近代美術館(仮称)心斎橋展示室
江上ゆか
「森村泰昌 なにものかへのレクイエム──戦場の頂上の芸術」
兵庫県立美術館