従来、写真はカメラで撮影され紙にプリントされたものを指していました。しかし、デジタル技術の革新にともない、写真をめぐる環境は急激に変化しています。特定の技術としての写真は多様なデジタル技術の中で、その輪郭を失いつつあると言えます。
また、現代アートの領域では、写真、映像、立体など幾つもの形態を自由に選択しながら作品を創作する者も少なくありません。
こうした現状を意識して、本展では、空間、時間、鑑賞者との関係性など様々な視点から写真とイメージの様相を探ります。平面作品のみならず、映像や立体作品を含む 9 名の芸術家、写真家の表現からは、これからの写真の在り処が浮かび上がるでしょう。
見どころ:
① 9 名の豪華出展者による現代写真の決定版
世界的に評価の高い畠山直哉や川内倫子から、2010 年代から目覚ましい活躍を見せる田村友一郎、加納俊輔等の若手作家まで、豪華な出展作家がそろいました。ここ 20 年間の日本の写真表現を一堂に観覧できるまたとない機会です。現代の日本の写真表現をまとめた決定版的な展覧会とも言えるでしょう。
② 写真作品、映像作品、立体作品と多様な表現
本展でご紹介するのは、壁にかかった写真作品だけではありません。映像や立体作品、体験型の作品など、多様な表現形式の作品があります。しかし、どれも「写真」に対する真摯なアプローチです。オーソドックスな写真のファンも、先鋭的な現代アートファンも、共に楽しめる内容です。
③ 同時期に志賀理江子の新収蔵作品を公開
愛知県美術館は、平成 25 年度に愛知県・岡崎出身の写真家、志賀理江子の作品《螺旋海岸》(2009−2012)を収蔵しました。「これからの写真」展に合わせて、作品を初公開いたします。現在、国際的に注目されている志賀の作品を合わせてご覧いただくことで、写真表現の今に対する理解がより一層深まることでしょう。
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