新宮一成(しんぐう かずしげ) 京都大学大学院人間・環境学研究科教授
1950年大阪市生まれ。京都大学医学部卒業。精神医学専攻。妄想や幻覚などの病理体験と、人間の無意識との関係の理解につとめる。とりわけ精神医学臨床で現れる夢の力に着目し、『夢と構造』(弘文堂、1988年)、『無意識の組曲』(岩波書店、1997年)などを執筆。フロイトの精神分析を夢から再構成した『夢分析』(岩波新書、2000年)、フロイトからラカンへの展開を臨床から示した『ラカンの精神分析』(講談社現代新書、1995年)などの著書がある。2000年サントリー学芸賞(歴史・思想部門)受賞。鷲田清一氏らと共に『フロイト全集』(岩波書店、全23巻)の編集委員を務める。
建畠 晢(たてはた あきら) 京都市立芸術大学長/埼玉県立近代美術館長
1947年京都生まれ。早稲田大学文学部卒。芸術新潮編集部、国立国際美術館主任研究官、多摩美術大学教授、国立国際美術館長を経て、現職。美術評論集に『問いなき回答』(五柳書院)など、共著に『表象のディスクール』(東京大学出版会)など。アジアの近現代美術関係の企画展に「アジアのモダニズム」展(1995年、国際交流基金)、1998年「草間彌生―ラブ・フォーエヴァー」展(ニューヨーク近代美術館など巡回)。1990、1993年のベネチア・ビエンナーレ日本コミッショナー。2001年横浜トリエンナーレ、2010年あいちトリエンナーレのアーティステイック・ディレクター。詩人としては詩集『余白のランナー』で歴程新鋭賞、『零度の犬』で高見順賞を受賞。
鷲田清一(わしだ きよかず) 哲学者/大谷大学教授・前大阪大学総長
1949年生まれ。京都大学文学部卒業、同大学院修了。関西大学文学部教授、大阪大学大学院文学研究科教授、大阪大学理事・副学長、大阪大学総長を経て、現職。専門は哲学・倫理学。これまで哲学の視点から、身体、他者、言葉、教育、アート、ケアなどを論じるとともに、さまざまな社会・文化批評をおこなってきた。主な著書に、『「聴く」ことの力』(桑原武夫学芸賞)、『「ぐずぐず」の理由』(読売文学賞)、『モードの迷宮』(サントリー学芸賞)、『メルロ=ポンティ』、『顔の現象学』、『思考のエシックス』、『老いの空白』、『「待つ」ということ』など。